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03 ここは「益子」じゃない。コヤママサシ 小山雅嗣:グラフィックデザイナー 1960年 埼玉県蕨市生まれ 現在、埼玉県久喜市在住 小山卓治、佐野元春のオフィシャルWeb Siteのデザインを中心に活動。 代表的な作品として〈だいじょうぶ、と彼女は言った〉〈トゥナイト〉《Stones and Eggs》《The20th Anniversary Edition》《SOMEDAY Collector's Edition》《 VISITORS20周年特集サイト》「TOYOTA Radiofish」などがある。 「ふれあいの郷」と名前がつけられる前から、ここから5kmほど離れている、「益子」には15年前から遊びにきていた。学生から大人になり結婚して、デザインの仕事をするようになってから、さらに「益子」が好きになった。コーヒーを飲むためだけに車で来たいくらい好きな街並と素朴な店に出会い(床が土なんだぜ!)、おおらかな景色と空気と創造と空想と人の雰囲気。僕の好みにぴったんこだった。 でも車で2時間かかる。 ある日、仕事で慌ただしい生活を過ごす中、その慌ただしい仕事仲間に「益子(の近く)」出身の人がいた。風貌は怪し気で、あの空気にまったくあわない。(失礼)でも、話すうちにやはり、その風貌のずっと奥にあのコーヒーの匂いとともに「益子」の創造性を感じた。でも、でも、やっぱりちょっと違う。「益子」と「彼」をくくるには何かが違った。その頃はまだ、コーヒーより酒の匂いが強かったし....。(またまた失礼) 「今度、遊びに来ない?」その一言でボクは電車で1時間30分。駅前でジャージ姿で僕を待っていた「彼」の車に乗り込んだ。あっというまに田舎特有の景色。そして、「益子」の街を... 素通り。 田園風景の広がる山をつっきった。静かだった。風が田んぼを渡るときの「ざわざわした匂い」に、幼い頃に毎年、夏休みに父方の田舎の新潟で過ごした感じが瞬時に蘇った。でも、僕の横には「この匂い」とあわない「彼」が相変わらず、解説しながら車を走らせていた。「この場所から写真とるといいんだよ。本当に。」「ここの土手、草むしりするんだよね」「ここがモ−ちゃんの家」「ここが梅干し漬けるのが上手な○○○ばあちゃんの家」...。家に着くまで続いた。頭の中は固有名詞でこんがらがった。僕がまるで「この地」を知っているかのように話し続ける。そして、器用に車1台通れる道を、ボディーをスリながらどんどん進んだ。 仕事の話しが済んだ夜。「ダム見せてあげる」といって外灯がない何も見えない道を進んだ。その日、やっとこ持てるくらいの「リンゴのおみやげ」をもらって帰った。家族とさっそく食べると、今までに食べたことのない美味しさだった。リンゴでこんな感動するなんて。 それから半年してから今度は車で行った。そう、「ふれあいの郷-WEBサイト」の件が動き始めたから。半年前の記憶の道は....どこを見ても山と田んぼと、えーっと。。。わからない。看板はないし。地図上の道は髪の毛くらい細くて訳がわからない。その時改めて思った、この村のサイトを僕は創るんだな。通りすぎてきたおしゃれな店や工房のある「益子」じゃない。美味しいリンゴが食べられて、話好きで酒好きで夢の話になるとエキサイトする村の人がいる街。 約半年。話し合った。始めてここに僕を連れて来てくれた「彼」と。そう、カメラマンの内藤順司氏と共に。 そんな、カメラマン内藤さんが撮り続けていた写真を、まず見て欲しい。【ふるさと写真館】この村の色と匂いを直感的に感じられる。そして、僕にいろいろ手料理を振る舞ってくれた村の人の姿【名人紹介】。回覧板やパンフレットではないサイトにしよう。偶然ここを見た誰かが誰かに「おもしろそうな村、見つけたから行こうぜ」って具合に繋がるような「宝の地図」。もちろん帰りに「益子」によってもいい!?(例のカフェは益子の「cafe土空間」) 日本でも有名な街から5km離れた「山本・大郷戸村」。 そのことを素直にスケッチしてみた。
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