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01「まみも」の郷にはこばれて あんべ光俊 (あんべみつとし)シンガーソングライター/プロデューサー 1953年岩手県出身。アルバム「イーハトーブウインズ」(コロムビア)まで17枚のアルバムリリース最新プロデュースアルバム6/23発売 「nonohana歌姫たちのソングオブ短歌/イルカ、沢田聖子、李政美、加藤いづみほか」、現在進行中「スワン/ジャンティン」(いずれもクラウン) あんべ光俊公式サイト | gift http://www.ambe.jp/ 栃木県益子町、山本。 いつのまにかここは自分のふるさとと呼びたい、何か心がキュンとなるそんな場所になってしまった。 そんな風に感じさせてくれるのは、景色や環境のせいばかりではないだろう。そこに暮らす人々にこそ魅力がなければならない。そもそも僕と益子を結びつけたのはカメラマンの内藤順司という男である。 そして彼と僕を引き会わせたのは、かつて「新譜ジャーナル」等で執筆活動をし、現在は郷里の栃木県馬頭町で味噌製造「はるこま屋」を営む二人に共通の友人、五月女清以智であつた。 14、5年ほど前、僕はその馬頭町によくでかけて行った。 当時、八方ふさがり状態の僕を五月女はたぶん見かねて、気晴らしにとたびたび連れ出してくれたのだ。そこで坂元金一さんに出会った。 坂元さんはその数年前に家族で東京から移住し、半自給自足のための農作業をしながらオブジェなどの様々な作品に取り組む造形美術家。 坂元さんは初対面の僕に遠慮がちにこう言ってくれた。 「あんべさん,音楽あまり頑張らなくていいよ。僕の作品が売れたらあんべさん、もう好きな時に音楽すればいいから。でもあと20年はかかるかもしれないけど…」 全体から暖かさががこぼれだすような坂元さんに僕はいっぺんに惹かれてしまった。 その日から男4人の楽しい、いわば旅が始まった。 夜を超えた激論、飲み会、魚釣り、山歩き、温泉巡り。コンサートや展覧会、取材。 誰かの仕事に同行して行く旅。岩手、長野、東京、静岡、京都…。そして1992年、久しぶりのアルバムリリース。 イラストを坂元さん、写真を内藤、撮影プロデュースを五月女。 仲間がジャケットを飾ってくれたアルバムのタイトルは「夢の扉」とした。やがて内藤順司は坂元さんの強い進めもあってか自分も栃木への移住を決意。場所は益子だと言う。 内藤の家が建つ頃、坂元さんは彼に向い遠慮がちにこう話すのだった。 「内藤君、前々から言おうとしてたんだけど、なんか言い出しにくくて。僕もうすぐ宮崎に帰るからね…」ショックに沈む内藤を励ますかのように その時ある人物が内藤家に顔を出す。 もーちゃんこと廣田茂十郎。 類は友を呼ぶのか。益子町山本を代表する元気男の登場であった。 そんなもーちゃんを中心にしたイベント「まみも収穫祭」が開催されたのはそれからまもなくのこと。 益子、水、森の頭文字をとった「まみも収穫祭」。 半年前に種を蒔いたコスモスが野に咲き乱れ、コンサートや神楽の舞、大きなたき火で陶器を焼いたり、バーベキュー、農産物の販売等々。そこには新しい出会いの恵みも含めて、気のいい仲間たちと過ごす豊かな時間があった。 時は流れて、2004年。 幸いなことに益子の名を聞くと思い浮かべる人がいま僕にはたくさんいる。皆共に年を重ね、同じように出会いと別れを越えてきた。 だからだろうか、その人達がいとおしい。 益子町、山本。そこでまた新しい「夢の扉」が開きそうだと内藤順司から知らせが届いた。 どんな夢が始まるのだろう。
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